【相談事例】平泉ドライビングスクールのエネルギーアドバイス

相談事例(企業)
岩手県平泉市に新設された自動車教習所である、平泉ドライビングスクールの校舎建設の事例です。地元企業としての持続可能性を追求し、環境負荷の少ない、快適で省エネルギーな建物を目指して計画がスタートしました。
住宅では一般的になりつつある「高断熱・高気密」の技術を、学校施設に応用することで、学習環境の質を高めると同時に、エネルギー使用量の削減も実現できると考えました。
ただし、断熱性能を高めることは建築コストの上昇にも直結するため、企業経営の観点では慎重な検討が求められます。そこで、建物の質を維持したまま規模を見直し、コンパクト化を図ることで、従来とは異なる水準の断熱性能を確保することができました。
適切に温熱環境をコントロールできる校舎は、生徒の快適性を高めるだけでなく、スタッフにとってもストレスが少なく、能率の上がる空間となることを目指しました。
断熱・気密化の設計

断熱施工・気密施工を容易にするため、コンセントやスイッチを外壁に取り付けることを避けています。気密層を貫通する構造材を減らすための工夫を、構造計算の段階から行いました。
断熱・気密化の施工
重要なことは、断熱・気密施工マニュアルを作成し、専門の指導者が施工指導を行ったことです。
地域リーダーの育成をイメージしながら、現場指導を徹底することができました。特に、防湿・気密シートの意味を理解して施工することは熱損失の低減、内部結露の防止になります。そのため、胴差し部分の先張り施行、間仕切り壁と外壁の接合部の先張りシートの施工など具体的に実施しました。
長寿命・メンテナンスを考慮

外装用の木材に、2Fは耐久性の期待できるレッドシダーを採用し、1Fは再塗装が容易でデザイン性も考慮して塗り壁に。 将来のエネルギー、熱源変更の柔軟対応も見越し、室外機の下はピットにして建築本体とアクセスの容易性を確保しました。 熱回収換気装置の設置高さは、フィルター清掃次のことも考慮して決められています。